コウモリによる被害は、見た目以上に健康や生活環境に深刻な影響を与えます。自宅の周辺に黒くて細長い粒、つまりコウモリの糞が大量に落ちていることに気づいた場合、それはコウモリが棲み付いているサインです。今回は、コウモリの媒介する病原菌!駆除時のリスクと対策についてお伝えします。
コウモリは家屋のどこに棲み付く?
コウモリが家屋に棲み付く場所は、主に暗くて狭い空間です。代表的な例として、屋根裏や天井裏、壁の隙間に換気口などが挙げられます。特にエアコンの室外機や通気口の付近は、コウモリの糞が確認されやすく、棲み付いているサインとなります。これらの場所は日中、人の目につきにくいため、コウモリにとっては安全な休息場所となります。
屋根裏や天井裏は、破れた瓦や外壁の隙間などから簡単に侵入し、巣を作ります。狭い隙間や穴さえあれば、コウモリはそこから進入し、家の内部に居座ります。また、屋根の端や軒下、雨樋の周辺も、コウモリにとって好適な場所です。
このように、コウモリは建物の外観からは見えない場所に巣を作ることが多いため、糞の発見や異臭が最初の兆候になることがよくあります。そして、夜行性のため、昼間に棲み付きを見つけるのは難しく、夜間にコウモリの飛来を確認して発見するケースが多いです。
ウイルスの危険性
コウモリは1時間に約1,200匹もの蚊や昆虫を食べるため、かつては害虫駆除の手助けをする動物と見なされていました。しかし、近年ではコウモリが様々な病原菌を媒介していることが明らかになり、駆除の必要性が強調されるようになりました。コウモリの糞や尿には危険なウイルスが含まれている可能性があり、なかには致死率が非常に高いものもあります。
例えば、ニパウイルスはコウモリを自然宿主とするウイルスの一つです。主に糞尿への濃厚接触を通じて家畜やペットから人間へ感染します。感染者は発熱、頭痛、嘔吐、意識障害などの急性脳炎の症状が現れ、場合によっては命に関わる深刻な事態に陥ります。特にマレーシアで発生したニパウイルスのアウトブレイクでは、感染者の40%もの死者を生んだ非常に恐ろしい存在なのです
また、コウモリが媒介するもう一つの危険なウイルスがリッサウイルスです。このウイルスは狂犬病に似た症状を引き起こし、感染者は例外なく数週間以内に死亡します。コウモリとの接触が避けられない場合には、感染リスクを避けるためにも、適切な防護措置が必要です。
駆除時のリスクと対策
コウモリを駆除する際、最も気をつけるべき点は病原菌や寄生虫への感染リスクです。
コウモリの巣床などがある場所に忌避剤を置いたり、消毒作業を行う場合、直接的な接触や糞に触れることでウイルスが体内に入る恐れがあります。駆除作業を行う際は必ずマスクとゴム手袋を使用し、アルコール濃度72%以上の消毒薬で徹底的に殺菌することが推奨されます。
さらに、コウモリにはノミ、ダニ、トコジラミなどの寄生虫が付いており、これらも人間に被害を及ぼす可能性があります。コウモリの駆除と同時に、寄生虫の駆除も並行して行う必要があります。これには、バルサンなどの殺虫剤を使用することが効果的です。
プロの駆除業者に依頼するメリット
コウモリの駆除は個人で行うことも可能ですが、健康被害のリスクや専門的な装備が必要であるため、非常に困難です。特にコウモリが入り込んでいる場所が建物内部や天井裏などの見えない部分である場合、個人での駆除は現実的に難しいことが多いです。また、コウモリの糞が落ちている場所だけでなく、コウモリが出入りしている経路を封鎖しなければ、再び被害が発生するリスクがあります。
プロの駆除業者に依頼することで、安全かつ効率的な対策が可能です。業者は専用の装備を使用して作業を行うため、健康リスクを最小限に抑えることができます。さらに、業者はコウモリが侵入している場所の徹底的な調査を行い、再発防止のための措置も講じることができます。これには、建物の構造的な欠陥の修理や巣の完全な撤去も含まれます。
最後に、コウモリによる被害は建物の損傷や健康被害を引き起こす可能性があるため、早急な対応が求められます。もしも自宅やその周辺にコウモリの糞が見つかった場合は、放置せずに専門業者に相談し、無料調査と見積もりを依頼して、一刻も早くコウモリによる被害を食い止めるのが最善の選択です。
まとめ
コウモリの被害は、放置すると健康や建物へのリスクが増大します。人間に対しても致命的なウイルスや寄生虫を媒介している可能性もあり、感染症リスクが非常に高いため、棲み付かれた場合には早期駆除が不可欠です。
もし、ご自分で駆除を行う際には、適切な防護装備を着用し、糞や巣の消毒も徹底する必要があります。ですが、個人での駆除はリスクがありますので、プロの駆除業者に依頼することが最も安全かつ効率的な対策です。