家屋や建物に巣作りするネズミはなぜ、放置してはいけないのでしょう。飲食店などであれば、風評被害などの影響もあり衛生的な面でも駆除することは理解できますが、家屋に棲み付いても被害が出ていないと思い込んでいる場合には注意が必要です。今回は、なぜ完全駆除しなきゃいけない?ネズミの感染症についてお伝えします。
なぜ完全駆除しなきゃいけない?
ネズミなどの害獣に棲み付かれる家屋や建物では、食料などの被害がないとしても、棲み付かせるべきではありません。
これは、害獣が隠れて暮らしている際に出す、尿や糞などが乾燥し、粉塵となれば空調を通じて人間の口などに入る可能性もありますし、ダニなどの微生物を繁殖させ、アレルギーなどの病原菌をまき散らす可能性が高いのです。
アレルギーや感染症というのは、体に変調が起こってやっと気が付くものです。また、完治させるためには、原因を完全に取り除かなければいけないケースが多いため、害獣を家から排除する必要性があります。薬などの効果によって一時的に、体が良くなるかもしれませんが、根源が取り除けなければ、体調が元に戻るかも不明です。従って、害獣に棲み付かれた場合には、完全駆除が必須なのです。
ネズミの感染症について
ネズミは、さまざまな感染症を媒介する可能性があります。
ネズミが起因となる代表的な感染症について以下にいくつか挙げます。
【ヒトのネズミ媒介感染症】
ヒトのネズミ媒介黄疸出血熱(ワイル病):ノミを介して人へ感染させる病気であり、高熱、黄疸、出血などの症状を引き起こすことがあります。
ヒトのネズミ媒介ラットバイト熱(ラッセル病):ネズミの唾液などを介して人へ感染させる病気であり、発熱、関節痛、発疹などの症状が現れることがあります。
【レプトスピラ症】
レプトスピラ症は、レプトスピラ菌という細菌によって引き起こされる感染症です。感染すると、発熱、頭痛、筋肉痛、黄疸などの症状が現れることがあります。
【ペスト】
ペストは、ネズミによって媒介される伝染病であり、致死率が高い感染症です。
ネズミに取り付いたノミがペスト菌を媒介し、人や動物などへ感染させ広がります。
感染すると、高熱、腫れたリンパ節、発疹などの症状が現れます。死に至る可能性の高い感染症ですが、抗生物質の早期投与により後遺症を残さず治療することが可能です。
まとめ
感染症などの病原を媒介するネズミが、自身の住まう家屋や建物に巣を作れば、非常に恐ろしい存在となります。ネズミの痕跡が見つかれば良いのですが、食料を確保するのが巣とは別の場所となれば、気が付きにくい屋根裏などは発見も遅れるでしょう。そして、なぜか体調が悪くなりだして、ネズミなどの害獣が原因であることに気付くという方もいらっしゃいます。
もし、病院などで、薬を処方されても、改善が見られない場合には、住まいに棲み付いた害獣が原因となっている可能性もありますので、プロの専門業者へ調査依頼することをおすすめします。