ペットにするのにも不向きなアライグマが生息域を広げられる訳

 
アライグマは、ペットとして輸入された過去があります。しかし、その飼いにくさにより、野生に捨てられることも多く、野生化していったとされています。今回は、ペットにするのにも不向きなアライグマが生息域を広げられる訳についてお伝えします。
 

アライグマ生息域を広げられる訳

 
アライグマは一見すると愛らしい外見や器用な前足を持ち、動物として魅力的に見えますが、人に懐かないため、ペットとしては不向きな動物です。そして、ペットとして購入されたアライグマは、捨てられたり逃げ出したりするケースが多く、これにより新しい地域で野生化して生息域を広げていきました。アライグマは繁殖力が強く、年に一度、複数の子どもを産むため、一度野生化すると急速に個体数が増加します
 
アライグマが生息域を広げられた最大の理由の一つは、非常に高い適応能力です。
アライグマは雑食性であり、昆虫、小型の哺乳類、果実、さらには人間の出すゴミやペットフードなど、さまざまな食べ物を食べることができます。このため、アライグマは食料が豊富な場所に棲み付くようになっています。
 
また、アライグマは夜行性であるため、夜間に人目を避けて行動し、建物の隙間や屋根裏、庭の物置などに巣を作り、人間の存在を気にせずに生活できる場所を見つけることで、自然の生息地が減少しても、都市部や人間の居住地に新たな生息地を作り出しています。
 

生態系や人への影響

 

 
アライグマが新たな地域で生息域を拡大すると、その地域の生態系に悪影響を与えることがあります。特に、アライグマは他の動物の巣を襲ったり、鳥の卵や小動物を捕食することで、地域固有の種に脅威を与えます。
 
外来種として持ち込まれたアライグマが在来種の生息地を奪い、生態系を乱すことで、農業や水産業に影響を与えるケースも報告されています。そのため、アライグマの個体数を管理し、生息域の拡大を抑えるための対策も大切なのです。
 
仮に、家屋に棲み付かれてしまった場合には、健康被害などのリスクもありますので、早期駆除が必要となります。ですが、鳥獣保護管理法によって守られていますので、諸手続きを踏んでから作業にあたらなければなりません。ご自身での作業が難しいと感じた場合には、プロの駆除業者へ依頼して、対処しましょう。
 

まとめ

 
アライグマはその高度な適応能力と人間活動の影響により、自然の生息地を超えて都市部や農村部にまで生息域を広げています。しかし、彼らはペットとして飼育するには非常に不向きであり、知能の高さや攻撃性、病原菌のリスク、野生行動などが飼育を困難にしています。また、アライグマの生息域拡大は地域の生態系に悪影響を及ぼすことがあるため、適切な管理が必要です。
 
家屋に棲み付かれてしまった場合には、アライグマの救急隊へご相談下さい。