人間にとって、害獣となる動物の多くは、駆除して畑や家屋などの被害を最小限に留めたいと考えるのは当然です。しかし、それではいけないのです。今回は、なぜ害獣のコウモリは鳥獣保護法によって守られているの?についてお伝えします。
コウモリも自然界において重要
コウモリなどの害獣の被害は、人の生活では感染症を伝染させたりするなど、悪影響しかない存在といった印象も強いのですが、駆除しすぎて生態系のバランスを崩すのは非常に危険でもあるのです。また、その他にも人間の生活に良い影響を与えている部分もあるのです。
コウモリは、蚊、ユスリカ、ヨコバイなどの飛翔昆虫を主食とし、カナブン、ゴキブリなどの昆虫も捕食します。これが何を意味するかというと、農作物に被害を与える害虫を食べることで農作物を守っている役割も担っているため、完全に害獣だから駆除した方が良いという訳でもないのです。
コウモリがいなくなれば、他の生物が増えすぎるなどのデメリットや生態系に異変を来し兼ねないため、しっかりと考えて人間も行動しなければならないという事になります。
コウモリが棲み付く環境に付いて
コウモリは、一般的に山岳地帯や洞窟など、静かで暗い環境で生活する傾向にあります。
しかし、近年では、イエコウモリなど人間が住む環境に適応し生活するコウモリも増えています。
広い工場や家屋の屋根裏など、日中の日差しを遮り、雨風を防げる環境という事もあり、近年では、非常に多くのコウモリが棲み付き問題となっています。
コウモリから住み付くメリットとしては雨風を凌げるだけでなく、天敵となる鳥類の鷹や鷲にフクロウなどがいない事など、比較的に安全に暮らせることから人の暮らしているエリアに棲み付くようになるコウモリが増えたと言えます。
また、そのコウモリは、東京都心部など繁華街などにも棲み付くこともあり、被害は拡大傾向にあるため、コウモリ駆除依頼の件数も全国的に増加しています。
コウモリの持つ病原菌とは?
コウモリが家屋に棲み付くリスクとして、最も危険なのがコウモリが媒介する病原菌になります。以下は、コウモリが持つ病原菌となります。
レプトスピラ菌:一般的な症状には、高熱、筋肉痛、頭痛、嘔吐、腎機能障害などの症状が現れ、重症化すると、肝臓や腎臓の損傷、出血、または肺臓症候群などの合併症が生じる可能性があります。
サルモネラ菌(食中毒):一般的な症状には、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れ、高齢者や免疫不全の人々、幼児などが重症化してしまうと、より重篤な合併症を引き起こすことがあります。
狂犬病:一般的な症状には、発熱、不安、頭痛、筋肉痛などが症状として現れます。そして、感染が進行すると神経的な症状も現れ、興奮、幻覚、けいれん、麻痺などを引き起こすことがあります。また、重症化すると死亡率の高い感染症となります。
エボラウイルス:エボラウイルスは致死率の高い病原菌として知られています。日本国内で感染が広がったことはありませんが、アフリカ大陸では感染が確認され、多くの人々が無くなっています。初期症状には、発熱、倦怠感、筋肉痛、頭痛などが含まれます。症状は、嘔吐、下痢、内出血などが現れ、吐血や下血といった症状や意識障害が生じて死に至ることがあります。
紹介した病原菌は、ほんの一部であり、この他にも様々な病原菌を媒介する動物ですので、駆除することがいかに大事なのか分かるかと思います。
コウモリに棲み付かれてしまった場合は、いかなる時も放置してはいけません。確実に駆除していきましょう。
それでも被害は見過ごせない!
確かに、生態系などのことを考えるとコウモリの駆除は簡単に行って良いものではありません。しかし、コウモリが媒介するウイルスなどに感染すればたちまち混乱を招く恐れもあるのです。これは、病原体にかかったコウモリが家屋などで、フンや尿をして、その粉末などを吸い込んでしまった事で、大きな病を患う可能性もあります。
また、家屋を住処とするコウモリに取り付いたダニやノミが、人間に噛み付き病気になるケースも考えられるのです。従って、コウモリが保護対象だとしても、わざわざ家屋の中に住まわせるということにメリットは一つもありません。
そのため、家に住まわれたり建物に巣作りされたと分かった段階で、プロの専門業者へ依頼して、追い出したり駆除してもらい、一日でも早く安心した生活を取り戻せる様にすることが大切です。共存するといっても、住まいまでも共有する必要性はありません。
被害を受けないためにも、早急に対処して行きましょう。また、コウモリは帰巣本能を擁していますので、追い出しに成功した後、しっかりと侵入経路を断つなどの作業も必要ですので、再度被害にあわない様にしていくことも忘れてはいけません。
まとめ
コウモリは人間の生活にとって、厄介な害獣でもありますが、生態系を守るうえでは居なくてはいけない動物です。ですが、人間の家屋や建物に棲み付けば、健康的被害を受けることもあるため、共存するとしても、同じ空間であるべきではないのです。
従って、棲み付かれてしまった事に気が付きましたら、早急に駆除業者へ連絡し作業を行ってもらい、安心できる生活を取り戻すことをおすすめします。