ハクビシンから人へ病気は感染する!感染リスクと対策法

 
ハクビシンは農作物に被害を与えるだけでなく、病原体を媒介することでも知られています。特にその糞尿や体に付着した病原菌が、直接的な健康被害をもたらす可能性があります。今回は、ハクビシンから人へ病気は感染する!感染リスクと対策法についてお伝えします。
 

ハクビシンが危険な理由

 

 
2003年に中国で発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)は、ハクビシンがその感染源であった可能性があるとされています。ハクビシンから採取された糞尿から、SARSに似たコロナウイルスが検出されたためです。
 
しかし、ハクビシンが直接SARSを引き起こしたかどうかは、未だに明確には解明されていません。それでも、ハクビシンが多くの病原体を保有している事実は変わらず、感染症のリスクが高い動物であるため、注意が必要なのです。
 
以下は、ハクビシンが齎す病気などについて解説していきます。
 
ハクビシンが媒介する病気
ハクビシンは「疥癬症(かいせんしょう)」と呼ばれる病気を媒介する可能性があります。これはヒゼンダニが皮膚に寄生し、強いかゆみや皮膚のブツブツを引き起こす皮膚病です。特に、ヒゼンダニが大量に寄生すると「角化型疥癬」という重症型になることがあり、感染力も非常に強く、家庭内での感染拡大に注意が必要です。
 
ノミやダニによる病気
ハクビシンにはノミやダニが多く寄生しており、アレルギーや皮膚疾患の原因となるほか、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの致命的なウイルスを媒介することがあります。特にSFTSは、マダニによって感染するリスクがあり、感染すると発熱や頭痛、嘔吐、下痢といった症状が現れ、重症化すれば命に関わる危険性もあります。
 
ハクビシンの糞尿による健康被害
ハクビシンの糞尿には、さまざまな病原菌が含まれており、皮膚や呼吸器に悪影響を及ぼすことがあります。特に糞尿を放置すると、ノミやダニ、その他の害虫が集まり、それがさらなる感染源となります。糞尿の悪臭が住環境を悪化させ、放置すれば木材の腐食や建物の損壊につながることもあります。糞尿を見つけた場合は、できるだけ早く掃除と消毒を行うことが重要です。
 

ハクビシンは危険な動物?

 

 
ハクビシンは雑食性で繁殖力が強く、害獣として認識されていますが、基本的には穏やかな性格を持っています。遭遇した際も人間を襲うことはほとんどなく、驚いて逃げることが多いです。
 
しかし、近づきすぎると自己防衛のために攻撃してくることもあるため、接触には注意が必要です。
 

ハクビシンの駆除は自分でできる?

 
ハクビシンは「鳥獣保護法」によって保護されているため、無許可での駆除は違法となります。駆除を行う際には、市役所や保健所で許可を取得しなければなりません。
 
さらに、捕獲した後は自分で処分する必要があるため、一般の人が適切に対処するのは非常に困難です。
 
そのため、専門業者に依頼することが推奨されます。業者は、許可の取得やハクビシンの駆除、そして再発防止のための措置までを一括で行ってくれます。
 

ハクビシンを寄せつけないための対策

 

 
ハクビシンを自宅に寄せつけないためには、以下の3つの対策が効果的です。
 
1.市販の退治アイテムを使用する
市販の忌避剤やくん煙剤、超音波器などは、ハクビシンを一時的に追い払う効果があります。ただし、これらは長期的な効果が期待できないことが多く、ハクビシンが慣れてしまう可能性もあるため、専門業者による駆除がより確実です。
 
2.家の周りを清掃する
ハクビシンはエサを求めて棲み付くことが多いため、家庭菜園やペットのエサ、生ゴミなどはしっかりと管理し、家の周辺を清掃しておくことが重要です。
 
3.侵入経路を塞ぐ
ハクビシンは屋根裏などに棲み付くことがあるため、侵入経路となりそうな場所をふさぐことが効果的です。特に外壁の隙間や天井裏、換気扇の周りには注意を払い、金網や害獣防止ネットでしっかりと封鎖しておきましょう。
 

ハクビシンの巣や糞を掃除し消毒する

 
ハクビシンを追い出した後でも、糞尿や巣の跡が残っていると、再び戻ってくる可能性があります。糞尿や死骸は放置せず、しっかりと取り除き、エタノールや次亜塩素酸ナトリウムで周囲を消毒することが大切です。また、使用した掃除道具は雑菌が付着している可能性があるため、使い捨てるか適切に処分しましょう。
 

まとめ

 
ハクビシンは、その体や糞尿に多くの病原体を含んでおり、人やペットに深刻な健康被害をもたらすリスクがあります。SARSとの関連が指摘されたことや、ノミやダニを媒介してアレルギーや感染症を引き起こす可能性があるため、不用意に触れることは危険です。糞尿による悪臭や建物の損傷も大きな問題であり、天井が腐るなどの被害も少なくありません。
 
そのため、早期駆除が不可欠となります。
ただし、駆除や清掃は専門的な知識が求められるため、一般の人が行うのは危険ですし、駆除作業などは法律で制限され、適切な許可などを得る必要性があり、自己処理するよりも、専門業者に依頼して安全かつ確実な駆除や消毒を行う方が効果的です。
 
業者に依頼することで、駆除後の消毒や再発防止策も徹底的に行われるため、家族やペットの健康を守ることができます。また、ハクビシンの再侵入を防ぐためには、住宅周辺の掃除や侵入経路をふさぐことも重要となりますので、ハクビシンの被害に遭われている方は、ハクビシンの救急隊へご相談下さいませ。