近年、害獣として注目を集めるイタチですが、イタチはペットに出来ないの?といった疑問を抱えている方も多いのです。これは、フェレットなどの同系統の動物が懐きやすい性格のため誤解されている状況です。今回は、ペットに出来ない害獣のイタチとペットに出来るフェレットの違いについてお伝えします。
イタチとフェレットの違い
イタチとフェレットは、外見や生態、性格などの面で異なる動物です。
以下にそれらの主な違いをご紹介します。
【分類と生態学的違い】
イタチ:イタチはウィーゼル科に属する小型肉食動物です。
野生のイタチは主に夜行性で、雑食性のため小動物や虫に果物などを捕食します。野生のイタチは広範な地域に分布しており、近年では害獣として問題視されています。
フェレット:フェレットはイタチ科に属し、イタチとは異なり、家畜化された種です。フェレットは野生種からペットとして飼育されています。
【体サイズと外見】
イタチ:イタチは通常、体長が25〜30センチほどで、体は細長く、尾は長い。体毛は茶色で、顔には特有の白い斑点があります。
フェレット:フェレットはイタチよりも大きく、通常、体長が35〜50センチほどです。体毛は多くの色があり、一般的には茶色、白、黒、クリームなどが存在します。耳は小さく、尾は長いままです。
【性格と飼育】
イタチ:野生のイタチは狩猟本能が強く、警戒心が高いため、一般的にはペットとして飼育することは出来ません。
フェレット:フェレットは家畜化されており、ペットとして飼育されることが多いです。性格は好奇心旺盛で遊び好きで、社交的な動物とされています。
これらの違いにもかかわらず、イタチとフェレットは近縁の種であり、共通の特徴を持っています。
イタチに遭遇したらどうするべき?
イタチに限らず野生の動物に遭遇した場合、真新しさや好奇心で近づいてしまう方は少なくはありません。特に人馴れしている動物であれば、触れてみたい・撫でてみたいなどの気持ちが生まれることもあるでしょう。
しかし、野生動物はさまざまな病原菌やウイルスを媒介している恐れがありますので、無暗に近づくのは危険です。急に威嚇され、手や足を噛まれたり引っ掛かれたりする恐れがあります。
そうして、感染症などを引き起こせば、健康状態が阻害され、健康的な暮らしを送れなくなります。これは、野良猫なども同じで、ワクチン摂取をしているペットとは違うということを理解しなければなりません。
可愛らしい・近づいても逃げないからといって、好奇心だけで野生動物のテリトリーに入ること自体が、自ら危険に飛び込んでいっているということを理解し、もっと重く捉えなければならないのです。
イタチがペットに適していない理由
イタチは、攻撃性が強いことから、ペットとして購入したとしても、飼い主に懐かない可能性が高いこともありますが、その他にもペットとして適していない問題があります。
イタチは、さまざまな病原菌を媒介している恐れがあり、その一部は人にも感染症を引き起こすため、ペットとして適していません。
イタチの代表的な病原菌は、レプトスピラ菌があります。
イタチの尿を通じて水や土壌を汚染し、傷口や粘膜に付着すると人や動物に感染し、高熱、筋肉痛、黄疸、腎臓や肝臓の損傷などの症状を引き起こすことがあります。
また、狂犬病も持っている恐れがあり、感染すると神経系に影響を及ぼします。
初期症状としては、発熱や頭痛が現れ、進行すると幻覚、麻痺、最終的には死に至ることもあるため、非常に危険です。致死率の高い病原菌ですので、イタチに咬まれた場合などは、放置せず速やかに医療機関で診療を受けなければなりません。
この他にも、エキノコックスという寄生虫を媒介していることもあります。
エキノコックス症に感染すると、肝臓や肺に嚢胞(のうほう)が形成され、放置すると重篤な臓器障害を引き起こすことがあります。
これらの病原菌や寄生虫は、イタチの糞便、尿、唾液などを介して広がるため、イタチと接触すること自体が非常に危険なのです。だからこそ、安全に暮らしていく為にも、イタチの駆除や捕獲といった作業が必要となっていきます。
害獣のイタチを駆除するべき理由
イタチとフェレットの違いを見て見ると、あたかもイタチも飼えそうな感じがすると感じる方もいらっしゃいますが、イタチを赤ちゃんから育てるなどしても、野生的な性質が強いため、成長するうちに狂暴にもなっていき手に余る可能性があります。ですので、ペットには向いていないと言えます。
また、家屋に棲みつかれてしまうと、野生のイタチは感染症や病原菌を持っているので、人間に感染する恐れがあるため、駆除しなければいけません。
棲みつかれた空間で糞尿であったり餌が腐敗すれば、家屋の老朽化にも繋がるため放置して良い問題ではありません。
ですので、棲みつかれてしまった場合には、すみやかにプロの専門業者へ依頼して駆除してもらう事をおすすめします。
まとめ
イタチとフェレットの違いについてお伝えします。
フェレットは好奇心旺盛で人にも慣れてくれますが、イタチはそういった人に慣れる様な事はないので、森林や夜間の道で見かけても、触ったりしようとはせず、その場を離れましょう。そして、家屋に棲みつかれてしまった場合には、専門の駆除業者へ相談して、対処してもらうことが重要です。