世界的にペストは、多くの人の命を奪っている感染症です。日本では、1926年以降に発生例はありませんが、ペスト菌はネズミなどから起因する病気ですので、ネズミ駆除の際には注意が必要です。今回は、日本での発生例は現在ないけれどネズミ起因で引きおこるペストについてお伝えします。
ペストについて
ペストは、ネズミなどのげっ歯類やそれらに寄生しているノミを媒介して人間に感染し、重篤な症状を引き起こす感染症です。人間への感染経路は、ノミによる感染が78%とされているため、感染に気付くのも困難だと言えます。
ペストに感染すると、潜伏期間は一週間程度となり、全身の倦怠感に始まり、悪寒などを感じ39℃から40℃の高熱、頭痛、筋肉痛などの一般的なインフルエンザの様な症状が現れます。
そして、ペストにも症状や特徴があり、次のような病型に分類されています。
【腺ペスト(Bubonic plague)】
ノミに噛まれた場合にリンパ節に感染が広がり、腫れたリンパ節が特徴です。
【肺ペスト(Pneumonic plague)】
腺ペストから肺に感染が広がり、呼吸器症状が現れる重症な形態です。
これは他の人にも直接感染する可能性があり、空気感染することがあります。
ペストは発症し、治療を行わなければ数日で死亡します。非常に危険な感染症であり、現在も世界的に非常に死者の多い感染症の一つとされています。
日本では、1927年以降の感染者はいませんが、グローバル化の進む現代ですので、どのような経路から持ち込まれるか分からないとも言えるのです。
ペストは早期の治療が重要
日本ではペストの感染は現状ありませんが、どのような状況で感染が広がるかは分かりません。これは、新型コロナウイルスの様な広がりを経験したからこそ、対処策を知っておくことは重要です。
まず、ペストは抗生物質の投与など早期治療が行えれば、初期症状の段階であれば後遺症を残さず治療することが可能な疾患とされています。
また、感染防止を行うことも重要です。ネズミを媒介とする感染症とすることが分かっているため、住まいや建物に巣作りされているのであれば、早急に完全駆除することが重要です。もちろん、ペスト菌を持っていないネズミであれば、ペストになる事はありませんが、ネズミが媒介する病気はこれだけではありません。早期対処が大切となるため、ネズミの痕跡などがあれば、プロの専門業者へ相談することをおすすめします。
まとめ
ペストは現在も世界的に死者を多く出す感染症の一つです。日本では、現在感染の報告が無いとされていますが、いつどのようなタイミングで、ペスト菌が日本に入るかは分かりません。ですので、ネズミに巣作りされない様にするなど、対処していくことが大切ですので、何か体調への異変が生じた場合には、病気だけでなく、ネズミなどの害獣によって発症した症状なのかも!と考え、駆除対策を講じるのも大切です。