生態系に大きな脅威を及ぼす特定外来生物アライグマについて

 
もともと日本にいなかった生物を外来生物と言いますが、アライグマはその中でも生態系に被害を及ぼすものとして政府が指定した特定外来生物にあたります。今回は生態系に大きな脅威を及ぼす特定外来生物アライグマについてお伝えします。
 

特定外来生物とは

 
もともと日本にいなかった生物が外来生物ですが、その中でも特に生態系に及ぼす影響が大きなものとして政府に指定したものが特定外来生物です。飼育、栽培、保管、運搬、販売、輸入などが原則として禁止されています。外来生物被害予防3原則として、
1.入れない
悪影響を及ぼすかもしれない外来生物をむやみに日本にいれない
2.捨てない
飼っている外来生物を野外に捨てない
3.拡げない
野外にいる外来生物は他地域に生きたまま持ち出さない
とされております。
 

特定外来生物・アライグマ

 
アライグマは北南米大陸を原産とし、1970年代後半のアニメの影響等で主にペットとして広く飼育されるようになりましたが、力の強さや気性の荒さから飼いきれなくなって捨てられたり、逃げ出した個体が全国各地で野生化したと言われています。雑食性で捕食対象が小哺乳類から魚類・鳥類・両生類・爬虫類・昆虫類、野菜・果実・穀類と幅広く、固有在来種への影響が懸念される他、農作物にも深刻な影響を与えています。また繁殖力も強いため、被害は右肩上がりの状況になっています。
 

健康被害も及ぼす可能性が

 

 
上述の通り、アライグマは生態系被害を及ぼす他、人の生活圏においても活動するため、ごみをあさったり屋根裏に棲み付くなどして住居に被害を及ぼすこともあります。また、狂犬病に罹患していたり、人にも感染する人獣共通感染症をもっている可能性もあり、健康に被害を及ぼす可能性もあるのです。
 

まとめ

 
アライグマは北南米大陸原産の外来生物です。日本ではペットとして広く飼育されるようになりましたが飼育が難しく、捨てられたり逃げ出したりして野生化し、繁殖力の強さから生息域は拡大しています。固有在来種への影響が懸念される他、人の生活圏にも侵入するため住居への被害、健康被害を及ぼす懸念もあるので、特定外来生物として規制の対象となっています。
捕獲を行うことにも許可等が必要となりますので、見かけた場合はまずは最寄りの役場、役所に連絡を入れて相談するか、プロの業者に依頼を行う必要があります。